ワークショップを開催しました〜北海道庁の皆さま
〔開催日〕
2021年2月19日・26日
〔参加者〕
北海道庁職員の方々約20人(有志によるナッジ・ユニット「北海道行動デザインチーム(HoBiT)」)
〔依頼理由〕
北海道庁オリジナルのナッジを実践するため、道ならではの課題である「ヒグマ人里侵入対策」と「エゾシカと車両の衝突対策」に取り組みたい
〔形式〕
Zoomによるワークショップ~中級編~(1回2時間×計2回)

〔ワークショップ概要〕
行動を特定する!
第1回ではまず、「クマを人里に侵入させない」、「シカとの衝突を回避する」ために、どの主体のどのような行動がその目標に結び付くか、行動科学の考え方に基づき、具体的に特定するプログラムを実施しました。そこから、クマ対策では、「農家が規格外の果物を農地に置いている」ことがクマをおびき寄せている可能性、シカ対策では、「観光客がレンタカーで移動している」際にシカに衝突してしまう可能性に着目しました。

ジャーニーマップを作成!
第2回では、上記の2つの可能性に対するナッジを取り入れた解決策について、デザイン思考を交えて検討しました。まず、デザイン思考のツールの一つであるジャーニーマップ(※1)の狙いとつくり方について解説。ジャーニーマップを作成するためには、デプスインタビュー(※2)が欠かせません。今回のクマ・シカ対策では、参加者の方々が今後、農家やレンタカー会社など関係者から「規格外の果物を農地に置いている理由」「レンタカーで移動中にシカに衝突する原因」などを聞き出す必要があります。このデプスインタビューを体感していただくため、モデルケースとして「北海道にUターンして働きたいと考えている人」というお題を設定。参加者同士で3人程度のグループに分かれ、「インタビュアー」役と「Uターンを考えている人」役になり、「なぜUターンしたいのか」、「何がUターンの障害となっているか」を互いに聞き出していただきました。

ワークショップを終えて
終了後のアンケートでは、「ジャーニーマップの作成を通じてチーム内での共有がしっかり図れるので、非常に有効だ」、「普段の業務(なんとなく取り組んでいる普及啓発)をもっと効果的にすることを検討したい」などの感想が寄せられました。今後、参加していただいた北海道庁の方々は、ワークショップを踏まえてモデル地域を選定し、デプスインタビューなどによる情報収集を通して、いよいよナッジを取り入れた解決策を講じていく予定です。
文責/スタッフT
〔※1〕課題となる行動のプロセスに沿って、その行動の原因と改善につながるポイントを時系列に並べたマップ。関係者全員で状況を共有することができ、より効果的な解決策につながる。
〔※2〕課題となっている人の行動の原因を深く掘り下げるため、「なぜその行動をとったのか」を聞き出し、より良い行動をとる動機や、より良い行動を妨げている理由を分析する手法。